中医学・東洋医学のおはなし

セルフケアしたいけどツボはどうやって選ぶんだろう、東洋医学の本に書いてある意味がわからないという方向けに書いています。

「翳風」耳鳴り、突発性難聴、メニエールによく使うツボ④

今日のツボは「聴会(えいふう)」です。
翳風は「耳の三兄弟」の聴宮と同じくダントツの使用頻度です。



「聴会」の作用            

「聴会」は「疏経活絡・開竅益聡」でした。
「聴宮」は「通経活絡・益聡開竅」でした。
「耳門」は「益聡開竅・疏通経絡」でした。
エネルギーの通る「経絡」という通路はバラバラですが3つとも耳の前にあり「コリをほぐして流れを良くして、耳が聞こえるようになる」ツボでしたよね。


「翳風」の作用は「散風熱、聡耳竅、通経絡」です。
「翳風」にも「コリをほぐして流れを良くして、耳が聞こえるようになる」作用があります。
ちょっと違うのは「散風熱」です。


中医学・東洋医学でいう「風」は大きく2パターンあって…
①バイキンを運んでくる外からの風
②体内で発生した風(例えば脳卒中や手足のふるえなど)


「翳風」の風はバイキンの方です。
「翳風」のツボの下には耳下腺が走行しています。
耳下腺にバイキンが入って炎症がおこったのが「流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)」で、バイキンの正体は主にムンプス・ウィルスです。


★おたふくかぜかな…と思ったら迷わず耳鼻科を受診して下さいね!


「翳風」は昔からおたふくかぜの時に使われたツボだったんですね。
「散風熱」の意味はバイキンの「風」とそれで出た「熱」を発散させるのツボだったんです。


「翳風」の「翳(えい)」は諸葛孔明が持っていそうな「鳥の羽で出来た扇子」なので、扇子でバイキンを散らすというイメージです。


鍼灸では「耳の三兄弟」と併用して使います。



なぜ「翳風」を使うの?  

「耳門」手少陽三焦経
「聴宮」は手太陽小腸経
「聴会」は足少陽胆経でした。


「翳風」手少陽三焦経です。


「翳風」と「耳門」の併用    

「翳風」と「耳門」は同じ「手少陽三焦経」グループに属しています。
「耳門」は耳の後ろをぐるっと回るツボをたくさんもっていましたよね。
「翳風」は耳の後ろをツボの入口で「耳門」は出口です。
だから「翳風」と「耳門」を併用することでこの間の経絡の前と後からゆるめることができます。



「翳風」と「聴会」の併用    

また「翳風」は「手足少陽の会」…つまり足少陽胆経との間に乗換できる連絡通路みたいなものがあるんです。
だから「翳風」は足少陽胆経の「聴会」にもつながっているという理屈になります。



「翳風」と「聴宮」の併用    

どうして手太陽小腸経の「聴宮」とも併用するのか?

じつは「聴宮」自体が「手足少陽、手太陽の会」だったんです。
つまり「聴宮」は「耳門」「聴会」「翳風」ぜんぶと協力できる優秀なツボなんですね。


札幌の地下鉄で考えると…
「翳風」は地下鉄南北線とJRの乗り換えができる新さっぽろ駅
「聴宮」は地下摂の南北線、東豊線とJRに乗り換えできる札幌駅という感じでしょうか。



「翳風」のセルフケア   

「翳風」の場所は、図のように、アゴの付け根で耳たぶの下あたりの凹みです。
「耳の三兄弟」と併用してケアしていただけます。
細かい位置は気にしなくても良いので清潔な手で優しく揉んであげましょう。
イメージ的には「指で軽く押さえて、指はずらさないで押したまま、優しく軽く柔らかく円を10回位描く」ような感じです。


耳の周りはデリケートなので力を入れて力を入れてゴシゴシしないで下さい。
バイキンが入らないように清潔な手で!



耳の症状の注意      

★突発性難聴は時間との戦いです、耳の異常があるときは自己判断せずすぐに耳鼻科を受診しましょう。
★病院受診後は鍼灸院との併用がおすすめです。
★耳の異常とは「音が聞こえない」「耳がふさがった感じがする」「音が割れたような反響するような感じがある」などです。




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