中医学・東洋医学のおはなし

セルフケアしたいけどツボはどうやって選ぶんだろう、東洋医学の本に書いてある意味がわからないという方向けに書いています。

「風池」耳鳴り、突発性難聴、メニエールによく使うツボ⑤

今日のツボは「風池(ふうち)」です。
イラストのクオリティには目をつぶって下さい。



「風池」の作用            

「耳の三兄弟」聴会・聴宮・耳門は「コリをほぐして流れを良くして、耳が聞こえるようになる」ツボでした。


「翳風」はそれにプラス「バイキンと熱を払う」働きがありました。もちろん熱がなくても使えます。


「風池」の作用は…
・袪風 :風邪を取り去る
・解表 :発汗させて体表の邪気を取り除く
・清頭目:頭と目をすっきりさせる
・利官竅:アナ(目鼻口
・二陰(尿道・肛門))の調子を整える


「風池」は幅広く使うツボです。
「風」とあるとおり「カゼ」や鼻づまりで有名なツボです。


「翳風」のバイキンは主におたふくかぜのウィルスでした。
「風池」のバイキンはカゼのウィルス全般です。


前回「風」には、外からくるバイキンと、体内で発生した「風」が引き起こした脳卒中などがあると言いましたが、「風池」の「風」は脳卒中の時にも使います。


耳の症状で使う場合は主に「カゼから来た耳の症状」のほか「頭をすっきりさせる」「身体のアナ(耳)の調子を整える」という意味で使います。


単純に頭や首筋がコリコリになっているときにも使います。



なぜ「風池」を使うの?   

「耳門」「翳風」は手少陽三焦経
「聴宮」は手太陽小腸経
「聴会」は足少陽胆経でした。


「風池」は足少陽胆経です。


勘のよいかたはお気づきですね。


「耳門」「翳風」で手少陽三焦経の「耳の後の付け根」の流れを良くしました。
「聴会」「風池」で足少陽胆経の「耳~側頭部全体~後頭部」の流れを一気に良くする作戦です。


足少陽胆経は「聴会」を通過後、側頭部を上がったり下がったりしながら後クビ「風池」に来ます。


「風池」は「手足少陽の会」として手少陽三焦経にもつながっているので「耳門」「翳風」とともに使うとパワー倍増です。


ただし、前にも書きましたが「刺激量」は人によって個人差があります。
針の本数が多いほど良いとは限りません。



「風池」のセルフケア    

「風池」は耳の症状だけでなく、疲れ目、鼻づまり、頭痛、肩こりにも使います。


「風池」の場所は、クビの後ろを生え際を「真ん中から外側にたどった先の凹みです。
わからなければ頭の骨の後ろのラインを全体的にほぐしましょう。
背骨ではありません、背骨は強く押さないでくださいね!





耳の症状の注意          

★突発性難聴は時間との戦いです、耳の異常があるときは自己判断せずすぐに耳鼻科を受診しましょう。
★病院受診後は鍼灸院との併用がおすすめです。
★耳の異常とは「音が聞こえない」「耳がふさがった感じがする」「音が割れたような反響するような感じがある」などです。




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「翳風」耳鳴り、突発性難聴、メニエールによく使うツボ④

今日のツボは「聴会(えいふう)」です。
翳風は「耳の三兄弟」の聴宮と同じくダントツの使用頻度です。



「聴会」の作用            

「聴会」は「疏経活絡・開竅益聡」でした。
「聴宮」は「通経活絡・益聡開竅」でした。
「耳門」は「益聡開竅・疏通経絡」でした。
エネルギーの通る「経絡」という通路はバラバラですが3つとも耳の前にあり「コリをほぐして流れを良くして、耳が聞こえるようになる」ツボでしたよね。


「翳風」の作用は「散風熱、聡耳竅、通経絡」です。
「翳風」にも「コリをほぐして流れを良くして、耳が聞こえるようになる」作用があります。
ちょっと違うのは「散風熱」です。


中医学・東洋医学でいう「風」は大きく2パターンあって…
①バイキンを運んでくる外からの風
②体内で発生した風(例えば脳卒中や手足のふるえなど)


「翳風」の風はバイキンの方です。
「翳風」のツボの下には耳下腺が走行しています。
耳下腺にバイキンが入って炎症がおこったのが「流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)」で、バイキンの正体は主にムンプス・ウィルスです。


★おたふくかぜかな…と思ったら迷わず耳鼻科を受診して下さいね!


「翳風」は昔からおたふくかぜの時に使われたツボだったんですね。
「散風熱」の意味はバイキンの「風」とそれで出た「熱」を発散させるのツボだったんです。


「翳風」の「翳(えい)」は諸葛孔明が持っていそうな「鳥の羽で出来た扇子」なので、扇子でバイキンを散らすというイメージです。


鍼灸では「耳の三兄弟」と併用して使います。



なぜ「翳風」を使うの?  

「耳門」手少陽三焦経
「聴宮」は手太陽小腸経
「聴会」は足少陽胆経でした。


「翳風」手少陽三焦経です。


「翳風」と「耳門」の併用    

「翳風」と「耳門」は同じ「手少陽三焦経」グループに属しています。
「耳門」は耳の後ろをぐるっと回るツボをたくさんもっていましたよね。
「翳風」は耳の後ろをツボの入口で「耳門」は出口です。
だから「翳風」と「耳門」を併用することでこの間の経絡の前と後からゆるめることができます。



「翳風」と「聴会」の併用    

また「翳風」は「手足少陽の会」…つまり足少陽胆経との間に乗換できる連絡通路みたいなものがあるんです。
だから「翳風」は足少陽胆経の「聴会」にもつながっているという理屈になります。



「翳風」と「聴宮」の併用    

どうして手太陽小腸経の「聴宮」とも併用するのか?

じつは「聴宮」自体が「手足少陽、手太陽の会」だったんです。
つまり「聴宮」は「耳門」「聴会」「翳風」ぜんぶと協力できる優秀なツボなんですね。


札幌の地下鉄で考えると…
「翳風」は地下鉄南北線とJRの乗り換えができる新さっぽろ駅
「聴宮」は地下摂の南北線、東豊線とJRに乗り換えできる札幌駅という感じでしょうか。



「翳風」のセルフケア   

「翳風」の場所は、図のように、アゴの付け根で耳たぶの下あたりの凹みです。
「耳の三兄弟」と併用してケアしていただけます。
細かい位置は気にしなくても良いので清潔な手で優しく揉んであげましょう。
イメージ的には「指で軽く押さえて、指はずらさないで押したまま、優しく軽く柔らかく円を10回位描く」ような感じです。


耳の周りはデリケートなので力を入れて力を入れてゴシゴシしないで下さい。
バイキンが入らないように清潔な手で!



耳の症状の注意      

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「聴会」耳鳴り、突発性難聴、メニエールによく使うツボ③


2023/06/04 07:00
今日のツボは「耳の三兄弟」の最後「聴会」です。


「耳の三兄弟」は耳の付け根にあり上から
・耳門(じもん)
・聴宮(ちょうきゅう)
・聴会(ちょうえ)


「聴会」の作用      

「聴会」のツボの作用は「疏経活絡・開竅益聡」です。
「聴宮」が「通経活絡・益聡開竅」でした。
「耳門」が「益聡開竅・疏通経絡」でした。


なぜ微妙に文字を変えてあるか不明ですが全部「経絡の流れをよくして、耳の通りを良くするツボ」です。


「経絡の流れを良くする」とは具体的にいうと「コリをほぐして、流れを良くする」ということです。


なぜ「聴会」を使うの?  

「聴宮」は「肩甲骨とほほ」を緩められる。
「耳門」は「肩と耳の後ろ」を緩められる。


では「聴会」は?


「耳門」は「足少陽胆経(あしのしょうようたんけい)」と呼ばれるグループに属しています。


この流れは「目尻」から始まり、耳の前の「聴会」を通って、ほほ、こめかみ、側頭部、後頭部、頚、肩甲骨を通過し、脇腹や脚の外側など身体の側面を下降して「足の薬指」で終点です。


「足少陽胆経」は非常に長く、身体の側面を走行するのが特徴です。


「耳門」は側頭部にたくさんツボがあるので「側頭部」を緩められます。


頭痛をともなう耳の症状に良いツボです。


「耳門・聴宮・聴会」全部使っちゃダメなの?

この3つは狭い範囲に並んでいるので優しくセルフケアする程度なら全部まとめて使っても大丈夫です。


ただし針に関しては別です。


人間には刺激に対する感じ方の個人差があります。


特に耳は小さくてデリケートな器官なのではじめは軽めの刺激から試します。


刺激量は以下のもので決まります。
①針の太さ
②針の本数
③針の手技


刺激量は多すぎると悪化する場合がありますし、少なすぎると変化がありません。


なのでまず「聴宮」だけに針を刺して様子見する場合が多いです。


もちろん刺激が必要な人には3カ所使用する場合もあります。


「聴会」のセルフケア   

「聴会」は「聴宮」の下にありますが、正直同じような場所です。両方一緒にケアできます。


細かい位置は気にしなくても良いので耳の前を清潔な手で優しく揉んであげましょう。


耳の周りはデリケートなので力を入れてゴシゴシしないで下さい。


バイキンが入らないように清潔な手で!


突発性難聴は時間との戦いです、耳の異常があるときは自己判断せずすぐに耳鼻科を受診しましょう。
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